夫は2回も定年退職して、現在3番目の職場でまだ元気に働いている。
定年退職した時には夫の職場関係の皆さんに退職記念パーティを開いていただき、
100名を越える方々にご寄稿いただいた記念誌の発行もしていただいた。
その中に、妻である私にも何か書いてほしいと依頼されて寄せた拙文がある。
最近あることに関係して、そのことを思い出して取り出して読んでみた。
あの時からすでに11年が経っているが、記憶と記録のために残しておこう。

ただし、個人や場所が特定できる名前は分らないように書き直した。
また、夫のことを「主人」と書いていたのを「夫」と書き直した。

Mizuの内緒話


先ず、関係の方々には大変なお世話をいただき厚くお礼を申し上げます。
と言う口の端から舞台裏をばらして申し訳ありませんが、
この記念誌に私の原稿を載せようというとんでもないことを思いつかれた
Y氏からの原稿依頼のメールを受け取ったのは4月30日の夜でした。
それも、5月6日か7日までにとの短い期限付きで。
「ご主人には内緒でお願いします」とも書かれていました。
で、Y氏には内緒で夫に相談しました。
連休で京都へ帰っての予定も詰まっており、時間がないので迷っている私に
「何でも気軽に書けばいいよ」と気安く言っていた夫ですが、
「じゃぁ書こうか」と言うと、何を書かれるやらと急に戦々恐々としていました。
その戦々恐々の不安が的中したようです。

夫が無事に京都での勤めを終えることができて、私もホッと安堵しております。
思えば、私の親へ結婚の申し込みにやって来たのに世間話をしただけで肝心のことは
何も言わないで帰ってしまい、私の実家では「彼は一体何をしに来たんだろう」
と、後々まで語り草になったそんな夫と結婚してから34年間が経ちました。
一口に34年と言ってもその間には実にいろいろなことがありましたが、
改めて思い出してみますと、あっという間に経ったという感もあります。
私の物は私の物、夫の物も私の物という感覚で、夫の世界を
私も一緒にいっぱい体験させてもらいました。

U氏撮影
顔が分からないよう、でも関係者には分かる程度に修正しました。

我が家での新年会には毎年たくさんの人に集まっていただいて賑やかでした。
特に、最後となった今年は50人近い人数で、大変嬉しいことでした。
ただ、私も年をとってきて次第に準備と後片付けに疲れるようになり、
最近では夫の助けなしには出来なくなって、ほとんど脅迫的に手伝わせておりました。
もしかして夫に怒られたり苦言を言われた人がいらっしゃいましたらご安心下さい、
家事には信じられない程に常識のない夫はいつも私に怒られておりますので…。
もっとも、自己には甘く他人に厳しい私に格好の餌食になっているきらいはありますが。

夫には定年がありますが、家庭の主婦である私には定年がありません。
この34年間、私なりに内助の功に努めてきました。
(と、いつも何気なくコマーシャルが入ります)
それで今は私の拙いホームページに書く話題の取材に出かける足になってもらうべく、
休日には運転手として内助の功をしてもらっています。

夫が現在勤務中の三田での職場を5年後に退職して“毎日が日曜日”の身分に
なりましたら、その内「夫の日常」など、皆さんのご存知でない暴露話を
書くつもりですので、乞うご期待です。
あれ、今日はエイプリルフールではありませんでしたっけ?
でも、夫は、あながち冗談でないところが恐いと思っていることでしょう。

最後になりましたが、これまでに私共に寄せていただきましたご厚情に心から
感謝いたしております。ありがとうございました。
夫は皆さんのご活躍を一番喜びますので、またいつでも近況をお話しに
お越し下さい。お待ちしております。

短期間で書き上げたことのご褒美に、私のホームページの宣伝をさせていただいても
よろしいでしょうか。  どうぞ「Mizuの部屋」をお訪ね下さい。



./


なお、この記念誌に寄稿していただいた中に特記しておきたいことがあった。
「婦人之友 2002年1月号 笑う門には福来る」に載った私の文章を
偶然に見つけた人が、記念誌の中でそのことを紹介して下さっていた。
『おもしろい話募集』の中の「新作のおもしろい話1」(こちら)にもあるが、
雑誌「婦人之友」には、私が書いた3つの笑い話を載せていただいた。
もう一度笑っていただきたく、その内の2つの話を書き留めておきたい。

『本当に夢の中?』
子供が小さかった頃のこと。私は夢の中で子供を叱って、
お尻をパシッパシッと思いっきりたたいた。
隣りで寝ていた夫の「痛い!! 何をするんだ?」という声で目が覚めた。

『どこか変ですか』
いつも夫から「お前は気楽でいいなあ」と言われているので、
それなら定年になったら立場を交換しようと提案した。
「あなたは気楽な私の立場で、一生家事をつづける…」と言うと、
「お前は何をするのだ?」と言うので、
「私はあなたの立場で、定年ご苦労様と感謝されて悠々自適の生活を送る」
と答えた。



戻る   目次へ