麗江の古城地区
雲南省の麗江は、中国の西南地方にありチベットにも近い位置関係にある。
少数民族のナシ族が多く暮らし、象形文字の一つであるトンパ文字を使い、
その独自の文化と瓦屋根の町並みや玉龍雪山など周囲の自然の美しさで、
1997年にユネスコの世界文化遺産に登録されている。
美しい瓦屋根の家並みのパノラマ写真(こちら)を見ていただいた上で、
もう少し大きく撮った写真もどうぞ。
麗江の町は標高2400mに広がっているが、
この美しい瓦屋根の家並みはどこか懐かしい光景である。
旧市街の古城地区は、この水車のある場所から始まる。
木造住宅と石畳の道と柳の木に水路など古い町並みが残っている。
石畳の道は晴れの日に砂埃が立つこともなく雨の日にぬかるむこともない。
水路脇の赤提灯の店は夜には灯が点って賑わうそうだ。
木府。
元、明、清の時代470年もの間麗江の地方を治めた木氏が暮らした館。
木氏はナシ族の豪族だったが、王朝とうまく付き合って、
チベットとの交易で富を蓄えていったとか。
四方街といって、麗江古城の中心部で広場は四角形になっている。
ここから四方八方に道が延びていて人々が集う広場になっている。
昼時にはナシ族のお年寄りが民族衣装を着て踊っている。
観光客もその輪に入って一緒に踊っていたりする。
ナシ族のお年寄りといえば、よく子供を背負った姿を見かけた。
これも昔懐かしい光景である。
ナシ族の人の服装は青い色をどこかに取り入れているそうだが、
確かに、どの人も青い色の服装を身につけていた。
これは何かと思えば、絵馬ですね。
日本のとはちょっと違うが、なかなかに味わい深い。
トンパ文化博物館。
ナシ族の伝統工芸品や名人が書いたトンパ文字などを展示しているが、
訪ねたこの日はなんと停電していて、中は薄暗かった。
停電はよくあるのかと係りの人に尋ねたら滅多にないとのこと。
滅多にない時に当たったのは運が悪いが中を見ることはできた。
トンパ文字の辞書を買ってきたので、トンパ文字の紹介は後日
「ちょっと変わったものコレクション」に入れる予定。
最後は、泊まったホテルについて。
麗江の空港からバスで麗江の町に入り古城地区を抜けて、
突然今までとは全く違った雰囲気の場所をバスは走っていた。
アメリカには地域全体がセキュリティで守られた町があるそうで、
日本でもそのような地域を作ろうとしていると聞いたことがあるが、
ここでもまさにそのような超高級住宅地と思える家々が並んでいた。
ところが、なんと、そこが我々が泊まるホテルだった。
ホテルといっても高層ではなくヴィラ形式のホテルだった。
中国人の人達の骨折りで団体で安く泊まれたらしいが。
世界遺産に登録されて観光客が押しかけるようになり、
人々の暮らしも確実に豊かに変遷はしているのだろうが、
このようなホテルまでできて複雑な感も否めない。
ホテルの敷地内は広いのでこのバス?で移動する。
部屋のベランダにはロッキングチェアーも置いてあった。
ホテルでは若い女性が多く働いているが、
若い女性も民族衣装姿で働いている。
広い敷地に伝統的な風情の建物など施設は贅沢だが、
設備や管理面で不十分な点に苦情を言いたくても、
純粋に一生懸命働いているので、文句も言えない。
“純粋で一生懸命”、そうだ、これも私には懐かしい光景だ。
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