ニュージーランド便り


便


南へ

週末を挟んで今度は南へ行ってきた。
日本では南へ行けば暖かいが、こちらでは南は寒い。
しかも、数日前にテレビのニュースで途中の道路が
大雨の土砂崩れで寸断されていると報じていた。
回復には1週間ばかりかかるということだったので、
別のルートを考慮に入れておかねばならなかった。
別のルートもどうなっているか分からないので、所要時間を心配した。
閉じ込められた時の用意に食料もいつもより多く積んでおいた。
羊毛の国なので暖かいセーターも買い込み、積んでおいた。




途中、3年前には天候が悪くてよく見えなかったマウントクックも、
この日はくっきりはっきりときれいによく見えた。
マウントクックはニュージーランド南島の西海岸を
南北に走るサザンアルプスの頂点で標高3754m。
今回はマウントクックへは行かなかったが、
Lake Tekapo(テカポ湖)を通ったのでここで休憩する。
雲一つない空の青とテカポ湖のエメラルドグリーンの間にあって
サザンアルプスの白い山並みもひときわきれいだった。
夏には咲き乱れていたルピナスの花がないのは寂しかったが。

さて、クライストチャーチから約505km。
間違えて余分に走った分も入れると約530km。
Queenstown(クイーンズタウン)までのドライブは
これまでで一番長くて丸一日かかった。
土砂崩れのこともあり、「車の窓から何を見つけても、
時間短縮のために途中下車なし」との宣告に泣く泣く従う。

助手席でのナビゲータも慣れてきたところで失敗をしてしまった。
ルートを間違えたことに気が付いて引き返したら、
左側の3年前に見た建物を思い出して見とれた丁度その時
右側に出た右へ曲がるサインを見落としていた。
ナビゲータを間違えたことで、状況はますます厳しいものになった。

が、お天気は快晴で暖かく、道路は平地が多くて105km/hで走れて
順調に着けそうな見通しになったので、次の写真を撮るために
「途中下車なし」の宣告も忘れて車を止めてもらえた。



 

行先のクイーンズタウンの名前がガムテープで消されていて、
Wanaka(ワナカ)を通って迂回するようにとの標識。
ところが、この迂回路がすごかった。
くねくね曲がっている山の中の道路が舗装されていなくて、
急カーブでは車輪が、ずずずずーっと流れるというのに、
そんな中で大型トラックや観光バスともすれ違わなくてはならなかった。

しかし、雪をいだいた山と湖に囲まれたクイーンズタウンの町は
疲れを癒してくれるに十二分だった。

つづく