隠岐諸島・島後


前のページで書いた島前とは隠岐諸島を訪ねた順番が逆で、実際は先に島後を訪ねた。
本土の境港から七類港へ、七類港から島後の西郷港までは高速船でも1時間以上かかる。
宿で夕食を摂った後バスで送迎してもらい、隠岐国分寺の隠岐太鼓と蓮華会舞を楽しんだ。


これは、翌日牛突きを見物する隠岐モーモードーム。


同じ場所のここで、迫力ある「隠岐太鼓」の演奏があった。


場所を移動して、隠岐国分寺の屋外にて「蓮華会舞」を鑑賞した。


平安時代から伝承されている国指定重要無形民俗文化財だ。

次の日は、隠岐モーモードームで「隠岐の牛突き」を見物した。


約800年前、隠岐へ流された後鳥羽上皇をお慰めするために、
島の人々が始めたのが起源とされる、と言われている。
全国的にみてもわずかに残るのみとなった伝統的な闘牛である。


年4回行われる本場所大会における勝負は、一方の牛が逃げ出すまで続き、
時には1時間以上も続く大熱戦もあるそうで、本場所大会は、まさに真剣勝負。

そんな伝統文化である牛突きを「観光用牛突き」として行っているのを見た訳で、
観光用牛突きでは勝負をつけることが許されていないそうで、引き分けにする。


しかし、闘争心むき出しで闘っているのを途中で止めさせるのは難しく、
最後は大勢の人が出てきて、2頭を離して、闘いを止めさせていた。


玉若酢命神社(たまわかすみことじんじゃ)。
隠岐の総社として信仰されている神社であり、
隠岐地方の特色である隠岐造りの代表的建築の本殿がある。


境内の随神門をくぐると県下一の巨木である天然記念物の「八百杉」がある。
根元の周囲約20m、高さ約30mもあり、側の人と比べてもその大きさが分る。


億岐家住宅(おきけじゅうたく)。
玉若酢命神社の宮司を務める億岐氏の住宅で、
隠岐地方独特の建築様式となっているそうだが、
身分や用途によって入り口が3つに分かれている。


水若酢神社(みずわかすじんじゃ)。
玉若酢命神社と同じく、本殿は隠岐造りで、
隠岐造りは、本殿が横に長い平面形を持つ。


隠岐へ行ったら一番見たいと思っていたのがヒオウギ貝(緋扇貝)。
赤、紫、黄色など、色とりどりの美しいヒオウギ貝を見たかった。
名前の通り、小さな扇を開いたような形のヒオウギ貝。

隠岐で何が一番良かったかって、魚や貝類のおいしかったこと!
岩ガキ、ヒオウギ貝、サザエ、白バイ貝などを生で食べたこと!

しかし、私が見たかったのは、ヒオウギ貝の貝殻の方だ。
誰に聞いても、その辺に転がってはいないということだった。
それを、泊まったホテルの庭に捨ててあるのを見つけた。


が、色とりどりという程でもなかったので、
料理に出た貝殻を持ち帰って撮ったのがこの写真。

隠岐では食べ物がおいしかったことが感動ものだったが、
おいしかったといえば、お弁当でさえもおいしかった。
2日目に島後の西郷港から島前・中ノ島の菱浦港へ渡った時に、
フェリーの中で配られたお弁当「ぼんべめし弁当」もおいしかった。
「ぼんべ飯」とは「まぜご飯」のことで、隠岐の郷土料理だそうだ。
ボンベ貝、ニーナ貝、サザエなどが入っている。


さて、本土へ帰り、境港から岡山へ移動中のバスの窓から見えた大山だが、
見える場所によって同じ山だとは思えない程に、こんなにも違って見える。

ところで、前ページで書いた高齢者の団体ならではの話題について。

バスの運転手さんが急停車して軽い怪我をした人が出た。
運転手さんが気にして病院を手配して受診したそうだ。
が、骨折はしてなくて、軽い打身で済んだとかで、良かった。

次は、大騒ぎになった話。
1日目、本土の七類港から高速船で島後の西郷港へ渡った。
ところが、西郷港で船を降りていない男性が居ることが分った。
西郷港が終点ではなく、船のアナウンスでその人を呼んでもらい、
次の島前の菱浦港で降りるように言ってもらったそうだ。
といっても、高齢者のこととて、添乗員さんが観光協会へ依頼して、
その後のことは、観光協会の人が船を降りる誘導から宿の手配まで、
また、翌日菱浦港へ来る案内などすべてをやってもらったそうだ。

隠岐太鼓も蓮華会舞も牛突きも玉若酢命神社も水若酢神社も見ることなく、
その男性は、我々が西郷港から菱浦港へ着いた翌日午後に合流して、
前ページで書いた「隠岐神社」から行程に参加することができた。

不思議なのは、その男性には奥さんが居て、船では男性が窓側に、
奥さんはその男性の隣で通路側に座っていたそうだ。
奥さんは1人だけで降りて、男性は残されたということになる。
奥さんは、降りる時に「降りるわよ」の一言も言わないで降りたのか。
男性も、みんながぞろぞろ降りているのに何で一緒に降りなかったのか。

一緒に旅行に来ているのだから、夫婦仲は悪くないはずだ。
後で奥さんに聞くと、ご主人はあれこれ言われるのをいやがるそうで、
お互い相手のことに干渉せず何にも言わないようにしているのだとか。

にしても、だ。
ご主人が降りて来ているかどうか確かめないかなぁ…。
奥さんが降りて行ったら一緒に降りないかなぁ…。

ということで、どちらに非があったかは皆さんの判断にお任せします。


水木しげるロードへ続く

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