入笠山トレッキング



入笠山へは、ホテイアツモリソウとスズランを見に行ってきた。
それなのに、花より先に載せるこれは泊まったホテルの写真。
なかなかに特記すべきことのあるホテルなので特記する。

入笠山の麓にあり、ゴンドラ乗り場まで徒歩5分で行ける、
と説明にあったが、道草しながらの歩きでは15分かかった。

特記すべきは、これはオーナーご夫妻の別荘だったもので、
客用の部屋は2部屋しかなく、この日の宿泊客は我々4人だけ。
名前が「小さなホテル メゾン・ド・ビュー八ヶ岳」で、
ホテルとしては確かに小さなホテルだが、大満足だった。


天然木の床や家具など何とも気持ちの良い雰囲気だった。
冬は薪ストーブが焚かれるのか、ストーブも見える。

このテーブルでの食事も満足なものだった。
採れたて野菜をふんだんに使ったオリジナル料理で、
朝食には手作りのジャムに焼きたてのパン…など、おいしかった。


八ヶ岳連峰を一望できる絶景ポイントにある。
朝起きた時には八ヶ岳連峰には幻想的な霧がかかっていたが、
入笠山をトレッキングして戻ってきた時には晴れてきれいに見えた。


さて、結論から先に書くと、今年はやはり花が早かったようで、
ホテイアツモリソウもスズランも、見頃の時期を過ぎていた。
しかし、全くなかった訳ではなく、咲いてはいたので、念のため。

大阪と京都から、東海道新幹線と身延線と中央本線を乗り継いで富士見へ。
ここで、上記「小さなホテル メゾン・ド・ビュー八ヶ岳」に泊まったのだが、
身延山久遠寺の話は、順番が逆になるがこのページの最後で書くことにする。


標高1050mからゴンドラに乗り、ゴンドラ山頂駅が標高1780m。
ゴンドラ山頂駅でゴンドラを下りてからは、花を見ながら山を歩いた。
標高1955mの入笠山の山頂まで約200mの高低差を登った訳だ。


実は、期待していた場所でのホテイアツモリソウは咲いていなかった。
1枚も写真を撮れないのでは泣いて帰らなければと思っていたところ、
何と何と、トイレを借りようとした思わぬ所で咲いているのを見つけた。
どこかで咲いていないか小屋の人に尋ねようと近づいたその場所で、
写真で見てきたあの派手な紅紫色のホテイアツモリソウが咲いていた。


北海道の礼文島で見たレブンアツモリソウ(こちら)が淡黄白色であるのに対し、
同じおもしろい形でも、このホテイアツモリソウは何とも派手な色合いである。


八ヶ岳連峰を遠くに見ながらスズランの花を愛でる。


ここは、20万本のドイツスズランが植えられている場所で、
これは、植栽されたドイツスズランということだろうか。
見頃を過ぎた中で、まとまって咲いているのは数少ない。


山に入って行くと、この後すぐに、やがて入笠湿原が始まる。
入笠湿原は次ページで書く霧ヶ峰・八島湿原と共に「高層湿原」だ。
屋久島の花之江河(こちら)、尾瀬ヶ原(こちら)でも見てきた。


なお、入り口と出口はネットの開け閉めをして通る。
ニホンジカ等が入り込まないようにしているようだ


日本スズランの花が咲いていた。


何と何と、この斜面一面に100万本の日本スズランが自生している。


上から下りてきている人に、スズランの花が咲いていたかと尋ねた。
「たくさん咲いていますよ。ご安心下さい。」と、嬉しい答えだった。


しかし、どこが、ご安心できるのかと思える咲きっぷりだった。
よく見ると小さなスズランが葉の陰に隠れるように咲いてはいた。
下からはよく見えないが、確かに、上から振り返って下を見ると、
緑いっぱいの葉の中に、スズランの花が白い点々として見えた。

ここで、花を見ながら山を歩いたその花たちを少し入れてみよう。

アヤメ

ウマノアシガタ

クリンソウ

ニリンソウ
シロバナノヘビイチゴ



レンゲツツジの咲くこんな緑の中を歩くのは気持ち良い。


標高1955mの入笠山の頂上へ着いた。
どこから集まってきたのかという程の大勢の人だった。

頂上ではぐるっと360度見渡せて、八ヶ岳連峰や南アルプス、
中央アルプスや北アルプスなども望め、富士山も見えるそうだが、
この日は天気が良くて晴れていたのに、霞んでいて見えなかった。


この方角には、八ヶ岳連峰が見えている。


こちら側に見えているのは、南アルプス。


次ページの霧ヶ峰・車山高原でもたくさん見たが、これは入笠湿原のレンゲツツジ。
これを最後に今回の旅行の1日目へ戻り、入笠山へ行く前に寄った身延山の話題を。


これは、身延山久遠寺の正門で、「山門」ではなく「三門」。


菩提梯(ぼだいてい)。
三門と本堂を結ぶ石段を「菩提梯」と言う。
菩提(悟り)へと至る階段を意味している。

写真ではどんなに急な階段か分かり難いかもしれないが、
急な長い287段の石段を登りきれば、悟りの悦びが生ずるとか。
石段脇には、「男坂」と「女坂」の2つの迂回ルートがある。
迂回ルートは、傾斜は緩やかだが距離は長くなる。

女性陣2人は、この石段を見てすぐにこれは駄目だと悟り、
石段脇の迂回ルートである「男坂」を上がった。
友人と夫の男性陣2人は、最初この石段を上がっていたが、
石段の1段が高くてしんどい、とても駄目だと悟ったようで、
途中から、女性陣が行っていた男坂へと合流した。
しかし、この男坂とて結構傾斜があって、きつかった。

つまり、石段を登り切れなかった4人共、悟りきれなかったという訳だ。
何事も修行は厳しくて、翌日からの入笠山と車山歩きが楽に思えたか。



霧ヶ峰・車山高原を歩くへ続く



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