白神山地(1)


この日は、タクシーを1日借り切って、移動の足はタクシーで回ってもらった。
本当は、世界自然遺産核心地域に含まれる天狗岳の見える天狗峠の天狗岳展望所まで
行ってもらおうと考えていたのが、通行止めになっていて行けないとのことで、
赤石川の渓谷に沿って「くろくまの滝」(日本の滝100選)まで行ってくれた。

「白神山地」といえば、新緑のブナ林のイメージを持っていたが、
赤色ではなく黄葉のブナの紅葉もまた違った雰囲気で良かった。


いきなりですが、ブナの巨木「マザーツリー」。
ブナは、ヨーロッパでは「母なる木」と呼ばれているそうだが、
地元の人から親しみを込めて「マザーツリー」と呼ばれている。
紅葉は少々盛りを過ぎていたかなという感じだった。


下から見上げて見れば確かに圧倒的な迫力だが、
少し離れて遠くから全体を見ると、期待した程でもない。
推定樹齢400年ということで、白神山地の中でも目立つ巨木だが、
以前訪ねて見た屋久島の縄文杉(こちら)と比べたからだろうか。


マザーツリーは、車を停めたこの津軽峠の近くにあり、
落ち葉を踏みしめて歩いて行った先にぬっくと立っていた。


車を停めた場所からは遠くに世界自然遺産核心地域が見えている?
秋田県側の核心地域へは学術調査や報道など以外は原則として入山できない。
青森県側の核心地域への入山は指定されたルートに限り届出をして入山できる。
が、我々はもちろん核心地域へは入れなくて、遠くから眺めただけだ。

車が行く道路の白神ラインはまだ整備中ということで、
砂利道で、道幅が狭くすれ違うのも難儀な山岳道路だった。
ほんの所々だけ舗装がしてあってホッとするのだが、
またすぐにガタガタの道で、車体の底が傷つかないかと
タクシーの運転手さんには気の毒だった。


写真中央の辺り、山肌に青い地層が見える「青岩」。
赤石川溪流の赤石林道添いに位置し、車を降りて見た。
グリーンタフと言われる岩石で、白神山地内では最も露出が大きい。


赤石川渓流の紅葉がきれいな場所では車を降りて写真を撮った。
タクシーだから好きな所で停めてもらえる自由が良い。


さぁ、ここから「くろくまの滝」まで歩いて行く。
右端に写っているのが、実は、我々の運転手さん。
お昼のお弁当が入ったビニール袋を提げている。
我々をくろくまの滝まで案内して一緒に歩いて下さり、
滝から少し降りた場所で一緒にお弁当を食べた。


「くろくまの滝」。
落差85mで、滝つぼ近くまで行けて迫力満点である。


滝の姿が観音菩薩が合掌しているように見えることから、
古くから信仰の対象となっているということだが、
周辺の紅葉したブナ林の中で見ごたえがあった。


タクシーは、帰りはくろくまの滝へ行った道を引き返さないで、
こちらの方が道路が良いからと、くろくまの滝から更に北へ進み、
弘前へ帰る途中でも何度か車を停めて紅葉の山を堪能した。

もこもこのパノラマ写真もどうぞ(こちら)。


山の裾野から頂上へ上がるにつれて紅葉が進み、
頂上付近では枯れ始めているのが分る。


今回の白神山地行きも天気に恵まれ、紅葉の山も際立っていた。


これはサワグルミか?次ページで入れるブナ林散策でも実が落ちているのを見た。


(左)お弁当を食べた場所にあったマムシグサかウラシマソウかテンナンショウ属の実。
(右)ブナの実を見つけたかったのに、見つかったのはこればかり。これはトチの実か。

このトチの実は誰かが置いていたものだが、我々が見つけたのもトチの実ばかり。
落ち葉を払いのけて探したが、肝心のブナの実は見つからなかった。


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