スイスアルプス散策






ジュネーブから列車に乗り約3時間でLeukという駅に着くとそこにはバスが 待っており、約30分で山の中の目的地Leukerbadに着く。
Leukからのバスの乗客はほとんどがLeukerbadへ行く避暑客なので、 それらしい服装のそれらしい人種という感じ。
勿論、多くはヨーロッパ各地から車で入るので、バスの乗客は外国人か お年寄りという人達と思われる。


Leukerbadの集落は標高1411mのところに位置する。そこからゴンドラ やスキーリフトに乗って更に山の上まで上がり、ハイキングコースを 楽しめるようになっている。
冬場はスキー客が、夏は滞在型の休暇を過ごす人達が集まるリゾート地。 日本の観光客には余り知られていないのではないかと思われる穴場。
地図上の数字は我々が体験したハイキングコースの順番。 行きはゴンドラやリフトで上まで登り、そこから更にハイキングしながら 山の上を巡って歩いて下りてくるというのが常であった。


一週間契約で借りるアパート(別荘)を、頼んで1日追加してもらい 8日間をここで過ごす。
ベッドルーム(ツインベッド)、リビングルーム、キッチン、 バスルームがあり、完全(きれいな)家具備品付きで、一日二人で 80スイスフラン(1スイスフランは約80円)という安さ。 ただし、シーツなどのクリーニング代と部屋の掃除代を払うと90スイスフラン 位になった。リビングには長ソファーが二つあり、使わない毛布も あったので、4人は泊まれた。
ちなみに、後半の一週間を過ごしたローザンヌのホテルは一日二人で 160スイスフランだった。それも四つ星でもそんなに良くなかった。
暮れゆくまわりの景色を肴にバルコニーでワインをいただきながらの 夕食と洒落込んだりもした。
ここで、午前中は山歩き、午後から仕事という毎日を過ごす。


ゴンドラで上がったここは標高2314m。
ここから、ハイキングコース(1)と(2)と(5)へ行ける。
ここからは、遠くにマッターホルンも見えた。 ここまではお年寄りでもスカートをはいてでも来られる。 360度山の風景を楽しみながらレストランで食事が出来る。 ここのゴンドラは大変な急勾配の岩山を上がって行くので、ハイキングコース(1) と(2)を歩いた日は下りもゴンドラで下りたが、ハイキングコース(5)を歩いた 最終日は、ちょっと冒険して歩いて下りた。


地図上のハイキングコース(1)。
この山の上の湖を約2時間半かけて一周する。
高山植物の小さい可憐なきれいな花が幾種類も咲いていて、しばしば足を止めては 眺めるので、ハイキングのペースは遅い。
キノコも何種類か見かけた。珍しいボールのような白い大きなキノコを 発見したときは、松茸を発見した時の感激を思い出した。


地図上のハイキングコース(2)。
遠くにみえる氷河の近くまで、雪道を踏みしめて歩く。往復約3時間。
この道は、雪は年月をかけて残っているせいか「白い雪」ではなく、茶色や 灰色に染まっているように見えた。
雪の道の他は石ころと砂の道だった。
氷河の水が溶けて流れて落ちてくる滝の側へ行ったときは、その冷たさに 思わず叫び声をあげた。
石ころや砂地の間からも小さい可憐な花が覗いている姿には生命力の強さを 見せつけられ感動した。


地図上のハイキングコース(3)。標高2310m。
羊も山羊も「カウベル」(牛の鈴)をつけていた。 いや、「シープベル」とか「ゴートベル」と言うんだろうか…??
スイスの緑の山の中から聞こえてくるこのカウベルの響きは独特で心地よい。 みんなリーダーの後に従いお行儀良い。
はぐれるとオオカミに狙われれるよ…。


首にカウベルをつけた牛が道をふさいでいて通れないので、みんなで “Excuse me !!”と叫んだら、「モウー」と鳴いて道を譲ってくれた。
しかし本当はドイツ語かフランス語で言わなければいけなかったのだ ろうに、英語の解かる牛で良かった!(^^;)
一頭の牛が親密の情を示したかったのか、私のジャンパーの袖をなめまわした。


地図上のハイキングコース(4)。標高1776m。
スキーリフトで上まで上がり、そこから緑の牧草地の中や岩場を 約3時間かけて散策。
珍しいたくさんの種類の色とりどりの花の数々には目を奪われる。
こんなところで寝転がって空を見上げていると、自分は遠い日本から来ている な〜んてことはこれっぽっちも考えなかった。


毎日の山歩きにいささか疲れて、今日は山歩きをお休み。 温泉に入って手足を休めてリラックス。
地名のLeukerbadの“bad”とは、ドイツ語で「温泉」の意味。
この温泉があるせいか、ここはお年寄りの姿も多く見かける。 勿論、冬場はスキーに来る若者の天下でもあり、老若男女を問わず楽しめる。 この写真のような泡の出るバブルの風呂の他にも、いろいろな風呂が楽しめる。 さまざまな形の「滝」に打たれると、肩こりや腰痛にも気持ち良い。


温泉に飽きたら、芝生の上で日光浴もできる。
温泉は、いくつも趣向を凝らした風呂があり(広いプールもある)、 それらがすべてまわりのこのような山の風景の中で、降りそそぐ太陽の下で 楽しめるのはまさに極楽、極楽。
ただし、山の天候のため、午前中は毎日天気が良くても午後はシャワーが あったりするので、雨の中で温泉に入るということも…。
そんな時は誰も気にしないで雨の中で入っていた。
とにかくみんな楽しんでいるのだから…。
温泉は、ハダカではなく水着を着て入る。日本では温泉はハダカで入ることは 知られており、その習慣の違いが話題になった。しかし、水着を着て入るなら 男女を分けなくてもよいからいいんじゃないの?


地図上のハイキングコース(5)。
険しい岩道をピークへ。
とにかく険しい岩道を「もうここから今更引き返せない(下りの方がもっと 恐そうだなと案じながら)」と、ひたすら上へ登ってピークに達する。 恐怖心と達成感もピークに。(!? ^^;)
写真左側中央の辺りで、こわごわと下を覗き込んでいる女性に注意!
同行の女性で私ではありません(私はすーっと覗き込んだ ^^;)。
すーっと覗き込むと、気の小さい御仁が一人私の洋服を後ろから引っ張って 支えていて、「もういいだろう」「もういいだろう」と、せかした。
とにかく大変な崖っプチがつづいており、自然の力の偉大さに今更ながら 脱帽! 下りは、人が居ないのをいいことに、時々石ころを落としながら 斜めに歩きながら降りる。


「ラクレット」の紹介。
ラクレットとは、溶かしたチーズにふかしたジャガイモとピクルス などを添えて食べるシンプルな料理の名前。
それぞれのレストランが週に一日だけ決まった日にお客に供する という郷土料理。チーズが特別なチーズだそうで、チーズ嫌いな 人にもおいしいこと請け合いです。
同行した人にそのレストランと親しい人が居たので、頼んで下さって 厨房に案内してもらって、溶かしたチーズをお皿に入れるのを 実際にさせてもらった。


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