尾瀬ヶ原の湿原
♪霧のなかに うかびくる やさしい影 野の小径♪
ハイ、野の小径を歩いてきました。
朝食が6時からということで、7時過ぎには出発することにした。
(朝早く出発して1日が長かったので写真の数も多くなりました。汗)
泊まった国民宿舎「尾瀬ロッジ」の前から尾瀬ヶ原が始まる。
燧ケ岳(ひうちがたけ)に向かって真っ直ぐに伸びる木道。
先ずは、山の鼻から牛首を通って、龍宮までを歩く。
龍宮の先にある龍宮小屋から引き返す人が多いようだが、
我々は、その先の見晴まで行き、更に東電小屋を回って、
ヨッピ吊り橋を渡って龍宮へ戻り、元の道を引き返した。
途中、木のベンチが置かれている場所で休憩した時や、
第二長蔵小屋の人に有益な話を聞かせてもらった時や、
宿で作ってもらったおにぎり弁当を食べた東電小屋では、
たっぷりおしゃべりして時間を取ってしまったので、
約16kmを約9時間かけて歩いたことになる。
いきなり、サンショウウオの子供とモリアオガエルの卵を見た。
普通によく見るモリアオガエルの卵は木の上に産みつけられているが、
尾瀬のモリアオガエルは、木が生えていなくて池塘の草むらに卵を産む。
モリアオガエルらしきカエルが草陰に見えたが写真には撮れなかった。
池塘(ちとう)というのは、湿原の泥炭層にできる池のことである。
尾瀬ヶ原の湿原にはいろんな大きさやさまざまな形のたくさんの池がある。
湿原にできた凹地に水が溜まり、その部分には泥炭が積み重なりにくくなり、
凸地が通常通りに積み重なり、凹地がやがて池になったと考えられるとか。
なお、浮島もたくさん見られた。
浮島というのは、池塘の縁が切り離れたり、底がはがれて浮かび上がったもの。
牛首の手前で見ることができる「逆さ燧(ひうち)」。
燧ケ岳(ひうちがたけ)がきれいに池に映っているが、
少し角度を変えただけで違った風景に見える。
なお、一周して龍宮へ戻り、元の道を引き返す帰りに見た時には、
風があり水面が波打っていたのか、逆さ燧は見られなかった。
写真は撮れる時に撮っておくべきだ。
近くの山の新緑もきれいだった。
ダケカンバとのコントラストも美しい。
尾瀬の広さを実感する風景。
何度も両手を広げて思いっきり深呼吸して尾瀬の空気を吸い込んだ。
流れくる川の水のほとりには水芭蕉が咲いている。
さぁ、お待ちかね、尾瀬ヶ原のハイライト、ビューポイントでの水芭蕉の群生。
牛首を越えて龍宮まで行く間で、いつの間にか見えてくる。
雪を抱いた至仏山(しぶつさん)を背景に美しい姿だ。
また、一周して龍宮へ戻り、元の道を引き返す帰りに見た時には、
太陽が低くなり、空は白く写り、全体が暗く撮れて美しくなかった。
やはり、写真はきれいに見える時に撮っておくべきだ。
お待ちかねの場所まで到達したところで、花の写真でちょっと一休み。
団体さんを連れているガイドさんが教えてくれたが、どちらがどちらか?だ。
上高地で徳沢のニリンソウ大群落を見たのに(こちら)、区別できない。
「厚かましいのですが教えてもらえませんか?」と、下の魚についても尋ねた。
アブラハヤだそうだ。
たくさん泳いでいたのだが、太陽の光が当って写りが悪かった。
陰に入っていたこの2匹が辛うじてそれと分る写りだった。
水のほとりには水芭蕉だけでなくカヤも生えてきていた。
リュウキンカは食用になり、食べるとシャキシャキとしておいしいそうだ。
が、調べた中で、ウィキペディアによると以下のように書かれている。
「若芽は山菜として食用可能だが有毒で、下痢などの症状を起こす場合がある」
もちろん、国立公園内の尾瀬ヶ原のリュウキンカを食べてはいけない。
横道へそれて余分に歩いた場所でも、水芭蕉の群落があった。
ここで、友人から「パノラマ写真を撮らないのですか?」と言われた。
そういえば、目がよく見えなくなった最近はパノラマ写真を撮ることはない。
尾瀬ヶ原では、どこでも360度見渡せて、パノラマ写真を撮るには絶好で、
昔ならこういう風景の所では興奮してパノラマ写真を撮っていたことだろう。
そこで、パノラマ機能ではなく普通に撮った5枚の写真を繋いでみた。
パノラマ用で撮ってないのでやはり繋ぎ目が目立つが、載せてみよう(こちら)。
龍宮小屋でトイレを借りた時に見つけた光景。
何やら細いタケノコみたいなのが土の中から出てきている。
小屋の人に尋ねたら、「マムシグサ」だと教えてくれた。
マムシグサなら、山の中でよく見るので知っているが、
こんな風に土から出たばかりのを見たのは初めてだ。
そう言われてよく見ると、確かにマムシグサの模様が見えた。
龍宮小屋からもっと先の見晴へと歩いた途中で群馬県から福島県に入った。
日帰りで行く多くの人は龍宮小屋から引き返すそうなので、
福島県の見晴にある第二長蔵小屋の写真を入れておこう。
来年は、今度は尾瀬沼を歩きたいと思っているのだが、
第二長蔵小屋の人にはいろいろな話を聞かせてもらっただけでなく、
小屋の裏でシラネアオイとオオカメノキの花が咲いていると教えてもらった。
シラネアオイの花はここで初めて見た。
オオカメノキの花もここで初めて見た。
サンカヨウの花はお馴染みだ。
見晴から東電小屋へ回る途中、只見川を渡った先で福島県から新潟県に入った。
雪解け水で川の水量が増しているのか、結構激しい流れになっていた。
東電小屋にはその昔(どんな昔やら?)夫は泊まったことがあるそうだ。
東電小屋で休憩した時に、宿で作ってもらったおにぎり弁当を食べた。
遠くには雪を抱いた至仏山、水芭蕉も白く見え、手前にはミネザクラが咲き、
きれいな景色をご馳走におしゃべりしながら食べたおにぎり弁当もおいしかった。
水はなくなっても名残の水の流れに沿って水芭蕉とリュウキンカが咲いている。
ヨッピ川に架かったヨッピ吊り橋。
「ヨッピ」とは、アイヌ語で「水の集まるところ」という意味があるそうだ。
ヨッピ川は、山の鼻方向から尾瀬を流れるたくさんの川が集まったもので、
尾瀬沼から流れてくる沼尻川と合流して只見川となって新潟方向へ流れていく。
水の中の水芭蕉
緑の草の中の水芭蕉
枯れ草の中の水芭蕉
たくさんの写真で、見ていただいた皆様にもお疲れさまです。
書き手は、先が見えてきた枯れゆく者ですが、
最後のお花は、「これから花開くヒメシャクナゲ」と
「花盛りのショウジョウバカマとタテヤマリンドウ」のツーショット。
尾瀬・鳩待峠から山の鼻へへ戻る
山の鼻から鳩待峠へへ続く
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