山の鼻から鳩待峠へ

♪水芭蕉の花が 咲いている 夢見て咲いている水のほとり♪

ハイ、水のほとりに水芭蕉が咲いていました。




最後の日の朝も出発の前に、隣の植物研究見本園へ散策に出た。
最初の日の暮れゆく中での散策とは違った朝の空気を感じながら、
水芭蕉の群生に名残りを惜しんだ。


リュウキンカと水芭蕉は寄り添って咲いていることが多い。


水芭蕉の白い部分は仏炎苞と呼ばれる苞で、これは葉が変形したものだとか。
仏炎苞の中央にある円柱状の部分が花序で、小さな花がたくさん集まっている。


ここで、これから花開く若葉に登場してもらおう。


何かとおもしろい姿をしているのを集めてみた。


これは珍しい?フイリミズバショウ(斑入り水芭蕉)。
葉脈がくっきりしていて、突然変異だろうか?


水中花? 水の中にすっぽりと浸かっても咲いていた。


さて、いよいよ帰るために山小屋を去る時がやってきた。

天気が良かったので昼間は汗をかき半袖でも良かった位だが、
夜は寒くて、朝起きた時に山小屋ではストーブが焚かれていた。


泊まった国民宿舎「尾瀬ロッジ」の周囲には雪が融けないで残っていた。

どの山小屋も、それぞれが大きな処理浄化槽を設置していて、
汚水は何度も浄化され、トイレで流す水などに使われている。
が、固形物は人が運んで降りるそうだ。感謝するしかない。


山小屋で必要な食料品や日用品などを運ぶボッカ(歩荷)さん。
背負子を背負い、箱詰めした荷物などを何段にも重ねて運搬する。
歩荷という名前の通り、まるで荷物が歩いているように見える。
1人で100kg以上の荷物を運ぶこともあると聞いた。
左の荷物で一番下は生ビールが入っていて重いそうだ。

山では、すれ違う人とは「こんにちは」と挨拶をする。
でも、ボッカさんには声を掛けないのがマナーだ。
1人1人に挨拶を返しているとボッカさんの呼吸が乱れるからだ。

自販機で買うペットボトルのお茶、山には自販機などはなく、
山小屋で買うと1本350円もすると事前にネットで読んで、
2本のお茶をリュックの両ポケットに入れて持って行った。

それでも、前ページで書いた第2長蔵小屋で350円出して買った。
このボッカさんの姿を見ると、350円を高いと思ってはいけない。


木道にはこのように所々に刻印があった。
左の2つの木道は東電が設置して、刻印の年に取り替えたのかな。
平成19年と平成24年に取り替えたのか、木には年月の差が出ている。
右の1つは環境省が平成23年に取り替えたと推測できる。

東電も環境省も、このような所でこのような貢献をされていたのですね。
というか、このような所でこのような税金の使われ方をしていたのか…。

シラネアオイ
オオタチツボスミレ?

シラネアオイは、2日前にここを通った時には見なかった。
それは、シラネアオイは谷側に咲いていて、尾瀬での通行は右側通行で、
我々が2日前に鳩待峠から山の鼻へ下った時は、山側を歩いていた。
鳩待峠へ帰る大勢の人が谷側を歩いていたので、見えなかったのだろう。

「あ、シラネアオイが咲いてる!」と大きな声で言ったものだから、
行き過ぎていた人達までが戻ってきて、写真を撮っていた。

ムラサキヤシオ
オオカメノキ

オオカメノキの木の下には雪がまだ残っていた。

ついでながら、山の鼻へ下る女性が「初撮り水芭蕉!」と撮っていた時に、
「そんなの撮らなくても、先ではもっときれいな水芭蕉が一杯咲いてるよ」
と言ってあげたいおせっかいの言葉を呑み込んだ。


地図では1時間20分の上りと書かれていたのを余裕を持って2時間を予定していたが、
同じ道の帰りということもあり、立ち止まってゆっくり写真を撮るのが少なかったからか、
地図に書かれていた平均時間の1時間20分で標高1591mの鳩待峠に到着。

ここは鳩待峠休憩所で、ここまではバスが来れるので、ここからバスに乗って下る。


まだ雪がこんなに残っていたのに、階段の石の隙間からタンポポが咲いていた。
山の鼻では、6月なのにツクシやフキノトウが出ていたので、不思議はないが、
積もった雪と同じ場所でタンポポが咲いていたのは奇妙な感じがした。
やっぱり、これは、ど根性タンポポと言うべきか…。

来年は、ニッコウキスゲの咲く頃に、ど根性で尾瀬沼の方へ行こう。


尾瀬・鳩待峠から山の鼻へへ戻る

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