ヨーロッパ旅行



いろいろな本に書かれていることとさして変わりはない話しを書いてもおも しろくもないので、ここでは省いて、話題性のあることだけを書いてみる。
ただ思ったことは、ヨーロッパの史跡巡りも美術館巡りも、日本とはスケー ルが違うので、かなりの体力が要るということを実感した。
夫の定年退職を待ってからの外国旅行を考えていると、感動する心も弱まり、 体力の衰えも否めないと実感して、この旅行が、以後一年一回のペースでの 外国旅行を始めるきっかけになった。




『 ローマのメトロでスリの一団に襲われる!! 』
 

左の写真は、その昔、映画「終着駅」で有名になったローマのテルミニ駅。
右の写真は、その昔も今も、誰もが歴史でも学ぶ、かの有名なコロッセオ。

このコロッセオ見物からテルミニ駅の近くのホテルへ帰るため、メトロに 乗ろうとしていた時に事件は起きた。
駅に電車が入ってきた時、電車を待っていた人達はそんなに多くも無かった はずなのに、急にまわりの人達が我々を押し始めて、我々はラッシュアワー のように押し合い圧し合いで電車の中へ押し込まれた。
電車の中へ入ってみると、やっぱり全然混んではいなくて、さっきのラッシュは 一体何だったんだ?という、きつねに騙されたような気持ちだった。
これが、スリ団の手口だった!!
あの作り出されたラッシュの中で、夫は、ズボンの後ろのポケットのボタンを 外されていた!!
ところがどっこい‥‥‥我々は、ローマのスリのことは本で読んで周知していたので、 みんな用心していた。しかし、手口のことまでは詳しくはなかった。
夫は、用心していて、何度も財布の入っている後ろのポケットに手を当てていたので、 スリ団もボタンを外したところまでしか仕事ができなかったとみえる…。
勝負あり!
さて、もう一人。あの作り出されたラッシュの中で電車に乗ろうとした直前、 長男の前を横切って行った男の様子がおかしいのに長男は気が付いた。
うるさい母親(私のこと。 ^^;)から、何度も何度もスリに気をつけるようにと 言われていて耳にタコができていた彼は、反射的にズボンの横前のポケットに 手をやって財布が無いことを知った。
「さっきの男が怪しい。」と確信を持って、男の後を追って行き、 勇敢にも男の襟首を掴まえているのを私は見ていた。
襟首を掴まえたまま、我々が乗った次の入り口から電車に乗り込んで、なおも彼は 男を詰問した。男は「そんなもの持ってないよ。」と何度もしらばくれたそうだ。 しばらくして、まわりの人が、「床に財布が落ちている。」と教えてくれた。
これらの会話は、イタリア語などしゃべれない長男の英語とジェスチャー語(?!) によるものである。
どうも、そのスリは観念して、現物の財布を床に捨てたものと思われる。
不発に終わった仕事に、その男は、チェッと舌打ちしながら、思いっきり長男の 靴を踏みつけて次の駅で降りて行った。
これも、一度はすられたが、取り返したので、まあ、勝負あり! …かな。
それにしても、襟首を掴まえたりして恐くなかったのかと後で問うたら、長男曰く 「僕(20歳)と同じくらいの年格好で、それに気の弱そうな男に見えたから…。」 と。
長男は、背も高いし、声も大きいので、向こうの方が怖がっていたのかも?




『 何と!! シュテフィ・グラフからサインをもらう!! 』


旅行の最終日、あこがれのウィンブルドンへ。
グラフが練習をしているところへ偶然行き合わせた。
この日、1992年7月4日土曜日、午後の女子シングルス決勝戦で シュテフィ・グラフが優勝した。
その決勝戦に向けて、午前中に男性を相手に練習をしていたグラフが、 練習を終えて戻って行くところを、たくさんの人が取り囲んだ。
私も思わず持っていた左の入場券とボールペンを差し出してサインをもらった。
グラフは、歩きながらせっせとペンを動かして、次から次へと差し出される紙に 機械的にサインをしていった。
本当は、息子達に「サインをもらっていらっしゃい」と言ったのに、 息子達は、情けなや、照れくさがって行こうとしなかったのだ。
母親ほどミーハーではないということだけど…。


 








右のサインは、メシールにもらったもの。
メシールはトップクラスの選手だが、何度も優勝するグラフほどの ナンバーワンクラスというわけではないので、取り巻き連も少なく、 この写真のように、ゆっくりとサインをもらうことができた。
写真をよく見ると、メシールはちゃんと私の方を見つめながら サインをしてくれていて、改めて感激。
しかし、グラフの大きくて堂々としたサインに比べて、メシールの 気の弱そうな小さくて控えめなこのサインの違いよ!


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