雨の尾瀬沼一周



朝起きた時には雨は降っておらず、良かったと希望を持ったのに、
その後雨が降り出して、この日は一日中雨になってしまった。
が、たいした降りではなくて、傘を差して歩くことにした。

山でなくても人が多くて混雑していると傘は人を傷つけて危ないので、
傘を差さないように上下セパレートの雨合羽も持って行っていたが、
この日は人も少なくて、風も強くなくて、傘でも何ら問題はなかった。

泊まった御池ロッジの朝食は6時から7時までということで、
朝早い出発で1日が長くて、写真の数も多くなってしまった。


泊まった御池ロッジからバスに乗って着いた沼山峠休憩所が標高1700m。
ここから歩き始めて、この日は雨だったが、尾瀬沼を一周することにした。

歩き始めてすぐオオシラビソの林の中を登って行った。


前ページでも載せたゴゼンタチバナを再び載せたのは、
林の中で、このように群生しているのが目立ったから。
あちこちでこれでもかこれでもかと咲いている姿が珍しく、
ニッコウキスゲの次に、たくさん堪能できた花である。

マイヅルソウ

オオレイジンソウ
ズダヤクシュ?


登りの道はやがて頂上に着き、沼山峠を越えて、その後は下りになり、
林が終わると急に目の前が開けてきて、いよいよ大江湿原の始まりだ。
この時期はニッコウキスゲが一番たくさん咲きそろっているはずだ。


大江湿原で最初に見たニッコウキスゲはやはり記念に撮っておいた。


ニッコウキスゲは、年によってたくさん咲く年と咲かない年があるようだし、
自分達の都合で訪ねる時期が、丁度花の見頃かどうかも分らないことだし、
木道の脇に咲いているニッコウキスゲも大事に思って撮っておいた。

でも、さすがに、この日咲いているのはこんなものかと心配になり、
帰ってきている人に尋ねたら、「もう少し行くといっぱい咲いてますよ」
との返事に安心して思わず「ありがとうございます」と元気に礼を言った。



遠くに尾瀬沼が見え、三本カラマツも良いアクセントになっている。

コバイケイソウ


前ページで載せたワタスゲを再び載せたのは、下の写真の通り、
白い点にしか見えないほどに、たくさん群生していたから。


しかし、リュックを背負い、スティックをつき、傘を差しての歩きでは、
カメラの出し入れも大変で、小さな花はもういいやと撮らなかったのも多い。

ノアザミ
ジョウシュウオニアザミ?

右は、茎先に花と蕾が3つ見えるので、
まさか、オゼヌマアザミではないと思うが?
下向きに咲いているので、ジョウシュウオニアザミか?

レンゲツツジ

マルバダケブキ

変った形の蕾がおもしろくて撮っていたのだが、
ニッコウキスゲ、コバイケイソウ、ワタスゲ、ノアザミ
などが、右の小さな1枚の中に写っている。


2日目に泊まった尾瀬沼ヒュッテ。
沼山峠から下りてきて、大江湿原を歩いて、
尾瀬沼ヒュッテに着くと、要らない荷物を預けた。
リュックの中身を減らしてリュックを軽くした訳だ。
少し身軽になってから、これから尾瀬沼一周に出発する。

なお、この広いウッドテラスからは、あの「燧ケ岳」が一望でき、
朝にはすばらしい朝焼けを、夕方にはすばらしい夕焼けを見ることができる、
と、「尾瀬沼ヒュッテ」のホームページの説明には書かれていたが、
「燧ケ岳」も、朝焼けも、夕焼けも、雨のために何も見えなかった。涙。

イワナシ?


ハリブキだが、別名トゲブキの方が合っていると思う。

北八ヶ岳の「麦草峠・雨池・坪庭」の最後で載せたのが分り易いが(こちら)、
これは、1枚の写真で、花と、葉の表にも裏にも、茎にもあるトゲが見える。

最初、トゲがよく見えない葉を見つけた時に「これにはトゲがある」と私が言ったら、
本当か?と確かめたかったのか、友人夫妻の奥さんの方が触ってみて「痛い!」と。
痛い思いをしても、何事も自分で確かめることが一番だ。 私もそうする。


去年は、尾瀬ヶ原で、青空に映える燧ケ岳の姿を見ながら歩いた(こちら)。

本来なら、あそこでも、ここでも、尾瀬沼と燧ケ岳の美しい景色が見られるのに、
雨の中、燧ケ岳の頂上には恨めしくもどんよりとした厚い雲がかかっていて、
暗い沼からはカッパかネッシーでも現れそうな雰囲気だ・・・。


尾瀬沼の南岸道ルートは道が悪くて、木道がない場所も多く、
あっても、部分的に木道が傾斜していたり崩壊していて、
迂回路が案内されている場所も何ヶ所かあった。

ネットで読むと、道が悪いために南岸道は勧められないとあったが、
景色が良いので体力があればお勧めだと書かれているのもあった。
しかし、雨ではせっかくのその景色も楽しめなかったが、
雨なら雨で、雨の尾瀬沼もまた良し、と書いて負け惜しみを。

ハクサンシャクナゲ

ナガバノモウセンゴケ

下の丸いモウセンゴケとは明らかに違う。
漢字で書けば、「長葉のモウセンゴケ」。
名前の通り、葉が長い。



次に、雨の尾瀬沼もまた良し、の負け惜しみの写真を入れよう。


青空の景色を想像しましょう。


三本カラマツは初めの頃に入れたが、近くで見るより、
ニッコウキスゲのアクセントになる方が似合っている。


川が流れ一面ニッコウキスゲが咲き誇っている場所に、
木道の橋が落ちているこのような光景は似合わない。

この日は、沼山峠駅から尾瀬沼ヒュッテまで約4km、
尾瀬沼一周で約9km、計約13kmを歩いた。

結構気温が高くて、蒸し暑く、歩き続けると汗ばむほどで、
東京より10度は気温が低いはずなのに、今日は暑いなぁと言うと、
東京はこれよりまだ10度も高いということだよ、との言葉に納得。

さて、


元の長蔵小屋。


現在の長蔵小屋。


そして、平野家のお墓。

見えている左から2番目(奥)が平野長蔵の墓。
尾瀬を拓いた平野長蔵。 「長蔵小屋」の初代主人。
尾瀬の自然環境の保護を世に訴え続けた人である。

お盆も近いので、こんな終わり方で良いでしょうか…。


と思ったのですが、お墓が出れば…。

ギンリョウソウは、どうも幽霊のイメージでいけない。
特に、ブレたボケ写真のギンリョウソウは幽霊に見えてしまう。。


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