木曾駒ヶ岳登山



7時からの朝食後、駒ヶ岳登山に向けて8時にはホテルを出発する。
先ずは、ホテルすぐ側に建つ駒ヶ岳神社に参り登山の無事を祈る。


ホテルの部屋には、高山病対策の注意書きが掛かっていた。

高山病対策に関しては、チベット(こちら)と玉龍雪山(こちら)、
クスコ(こちら)、それに、九寨溝と黄龍(こちら)で経験済みで、
それらに比べればそれ程高山でなく、あまり気にならなかった。
実際、高山病による体の不調は起こらず、大丈夫だった。


木曾駒ヶ岳は、くぼんだ場所を越えた向こう側にある。
往復4時間の半日コースとあるが、我々は6時間かけた。
勿論それには、写真を撮る時間と昼食の時間が含まれる。


望遠で撮ると、大勢の人が下から右上へと登って行くのが見える。


千畳敷カールの遊歩道と、駒ヶ岳・宝剣岳への登山道の分岐点。
登山道には「この先より上は登山靴や雨具など山の装備が必要」とある。


歩き始めると、そこらじゅう大きな石がゴロゴロしていた。
「乗越浄土」までの「八丁坂」は、大きな石の岩場ばかりで、
そんな道がいきなり始まってずっと続いたので、きつかった。
この辺りはまだ緩やかだが、すぐに急斜面で急勾配になった。

この青空の写真から10分後には、下の霧に霞む風景になる。


大きな雪渓が続くこちら側を歩いて登った。
お花を見ながら登るのは苦にならないが、
石や岩ばかりが続くと、きつい思いだけだ。

ハクサンボウフウ? ミヤマゼンコ?
トウヒレン
イワベンケイ

と、きつい岩場ではカメラを出す元気もなかったが、
頑張って撮ったお花の写真も入れながら続けよう。


オットセイ岩。

「千畳敷カール」でも入れた花は、
ここでは、山での群生の様子を残そう。

ハクサンイチゲ

チシマギキョウ

イワツメクサ


やっと乗越浄土に到着。 標高2850m。
急な坂を登りきったら、ここで小休憩。


乗越浄土からの眺め。
右端の岩、天狗に見えます?

なお、左の高く尖ったのが宝剣岳。


次に目指す中岳が見えている。
乗越浄土までの八丁坂がきつかっただけに、
中岳への道がどんなに楽そうに見えたことか。

さて、この辺りで、また花の写真を入れてみよう。

チングルマの果穂の集団

イワツメクサを従えたミヤマアキノキリンソウ

次には、「千畳敷カール」で載せなかった花を。

オンタデ

タカネツメクサ


振り返ると、さっき側を通ってきた宝剣岳が正面に見えている。
ホテルの部屋や千畳敷カールから眺めた宝剣岳が身近に感じられる。
が、「宝剣岳」は、初心者が登れる山ではなく、我々には無理な山だ。

写真では、山荘が見えているが、山荘はこのように高い場所にもある。
「日本で一番高い場所(標高2612m)に建つホテル千畳敷に2泊した」と
前ページの「千畳敷カールを散策」(こちら)の最初の辺りで書いたが、
それは、「ホテル」としては一番高い場所に建つ、という意味である。


宝剣岳頂上(2931m)に小さく見える2人の人影。
一番上で、両手を広げて万歳している姿も見たが、
写真、写真と、カメラを出している間に姿が消えた。


中岳山頂。 2925m。
ここまで来たら、あと少し。


やたらと大きな岩がごろごろしていた。

ヨツバシオガマの集団

色が少し違うコマクサの集団。

ただし、このコマクサについては、自生ではないらしい。

花の名前を調べるためにホテルで買った本によると、
木曽の百草丸の中の最も重要な薬草としてコマクサが使われ、
高値で買い取られたので、明治・大正期に採り尽されて、
現在のものは、営林署や個人が植えたもの、だとか。


木曾駒ヶ岳頂上。 2956m。

きついのは下の方の八丁坂だけかと思っていたら、
ところがどっこい、頂上近くもきつい登りだった。
きつい岩場では写真など撮っていられないので写真は無い。

「やっと着いたぁー。フゥアー」と大声で言ったら、
その辺りに座っていた男性のグループから、
「大きな声でため息をついてるよ。」と笑われた。
でも、笑っただけではなく親切な人達で、
「頂上は、どこどこ?」と言う私に、
「そこそこ、証拠写真を撮らないと!」と教えてくれた。


これが本来の頂上の標識だと思うが、文字が消えていて読めない。


山頂に鎮座する木曽駒ヶ嶽神社。 木曽側にある社殿。


伊那駒ヶ嶽神社。 伊那側にある社殿。


頂上からの眺めは、残念ながらきれいには見えなかった。
天気は悪くなかったものの、富士山も見えなかった。


下りは、こういう道なら楽そうだと、少し遠回りになるが、
中岳までの途中で元の道と合流するこの道を下ることにした。


道の両側では、これまで見た中で一番きれいにチングルマが咲き、
大きな岩の間で可憐に咲いているコイワカガミも可愛く美しくて、
下りは、登って来た道ではなく、この道で正解だったと喜んだ。


が、しかし、間もなくすぐに後悔して不安になった。
ここを上がって岩の間を下る時に、どこまで続くのかと。

何とか無事に岩場を下りて(雨で岩が濡れていたら危険だった)、


疲れが吹き飛んだのが、このイワヒバリ。
こちらを見てもすぐに逃げ出すでもなく、
小さなデジカメでもゆっくり撮らせてくれた。

それと、遠回りでもこちらに回って良かったのは、
下で載せるウスユキソウが見られたことだ。

ヒメウスユキソウ(駒ウスユキソウ)

ミヤマダイコンソウ

コケモモ

キバナシャクナゲ


道がある訳ではなく、石がゴロゴロしている場所を歩くので、
ロープが張られていないと、どこを歩いて良いか分からなくなる。

急斜面・急勾配の場所では、ついついロープにつかまりたくなる。
でも、「ロープは手すりではありません」との注意書きがあった。
それは勿論、「身体をあずけると危険です」との観点からだ。

大体どこでもロープが張られていて、ロープが緩んでいる場所では、
作業する人が、杭を打ち直してロープを張り直しているのを見た。
それは、大勢の人が歩く千畳敷カールでのことだが、ありがたいことだ。


ありがたいと言えば、九寨溝と黄龍や尾瀬などで見た、
荷物運びの人が、ここでも活躍していた。
山荘へ重い荷物を運んでの帰りだろうか。


話題に載せさせてもらうが(後ろ姿で分からないから良いか)、
このご夫婦?、女性にロープを巻いて男性が引っ張っていた。
まるで、鎖につないだ犬を引っ張っているような感じだった。
命綱ですか?と声を掛けたら、(彼女は)落ちるんですよ、と。
女性が落ちないようロープで引っ張っている優しい男性でした。

ちなみに、この女性も、張られた山のロープにつかまっていました。


暑い時期なのに、雪渓があるということは、それだけ涼しいということ。

かなりきつい山登りだったので、最後はホッとするお花畑の写真で終わりましょう。




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