桜を見に石山寺へ



京都には桜の名所は数々あり、これまでにもいろいろ書いてきた。
例えば、「洛南さくら散策(こちら)と宇治橋上流と宇治田原町(こちら)」、
「八幡市・背割堤の桜並木(こちら)」、「洛中さくら行脚(こちら)」、
「桜の季節の銀閣寺(こちら)」、「可哀想な円山公園のしだれ桜(こちら)」、
「原谷苑の紅枝垂れ桜と仁和寺の御室桜(こちら)」などなど。

昨年の春は、新型コロナウィルスの感染拡大のため、花見は近場ばかり。
書いたのは、「近場で花見(こちら)」と「植物園の桜(こちら)」。

今年は、非常事態宣言が解除されて感染者数が再び増え始めていることもあり、
観光地・京都市内の混雑を避け、日帰りで行ける滋賀県へ行ってきた。


上の石山寺の東大門を額縁にして、境内の桜を見る。


桜を撮ったのだが、実は、2枚目は桜を撮ったのではない。


国の天然記念物の「硅灰石(けいかいせき)」を撮ったのである。
硅灰石とは、石灰岩に花崗岩が接触した熱作用で変質したもので、
通常は大理石となるそうだが、珪灰石となるのは珍しいそうだ。


滋賀県最古の木造建築物とされている本堂は、
この珪灰石という巨大な岩盤の上に建ち、
特徴的な石が寺名の由来ともなっているとか。


石といえば、巨大な「くぐり岩」があった。
自然の状態で胎内くぐりの状態になっていて、
自然の大理石だそうだが、そう言われても、
苔に覆われて灰色で、大理石とは思えない。

右から左へ穴をくぐると願いが叶うという、
いわゆるパワースポットになっているようだ。


「良弁杖桜」と言って、石山寺の開山である良弁僧正が持っていた
杖が根付いて桜の木になった、という言い伝えがあるそうだ。
花と同時に葉が出ているので、ヤマザクラだと思える。


年代の明らかなものとしては、日本最古の多宝塔。

上の、桜と硅灰石を撮った写真の中に、多宝塔も写っていて、
実は、多宝塔と硅灰石を撮ったのだが、後ろの方で目立たない。


「芭蕉庵」と「月見亭」側の桜と「光堂」近くの桜。


石山寺は山の中にあり、桜を見ながらハイキングの気分で歩いた。


「源氏物語」の作者・紫式部が、ここ石山寺参篭の折に、
「源氏物語」の構想を練った寺として知られているそうだ。

さて、石山寺なので、もう少し「石」の話題を。


本堂真下のこの場所には採石跡が残されていて、
天智天皇の時代には石切場であったそうだ。


最初の東大門の内側には、「無事カエル」が居て、
「無事にお帰りください」と見送ってくれる。

サッ、皆さんもお気を付けてお帰り下さい。


と思ったのですが、最後にもう1枚。

石山寺は、琵琶湖の南端近くに位置していて、
琵琶湖から唯一流れ出る瀬田川の右岸にあり、
瀬田川沿岸の桜もきれいで、入れておきたい。

この瀬田川ではボートの練習も盛んで、
この時も何艘ものボートが練習していた。



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